FFT(高速フーリエ変換)は「地デジ」などのでの信号処理やデータの分析などで広く使われている.しかし,ネット上などを見ると,FFTの使い方などについて,いろいろと正しくない情報も散見される.
例えば下に示す図1は,FFTと閾(しきい)値処理により雑音を除去する方法として,ネットでよく見かける方法で,元の波形は正弦波にノイズが重畳したものだ.この図で,(a) では問題なく雑音が除去されており,有効な方法だと思うかもしれない.しかし (b) では,雑音除去処理後の波形は,正弦波ではなく歪(ひず)んだ波形になっており,問題のある処理方法だということがわかる.これは一例であるが,このようなことを避けるためには,FFTの正しい使い方をマスターしておく必要がある.
このセミナでは,FFTの正しい使い方をイメージ的に理解するため,このような講師自作のアプリを使いながら解説していく.
また,FFTを使うと計算量を削減でき,実行速度の高速化を図れるが,そのことを利用するリアルタイム・ディジタルフィルタの実現方法についても実例と共に解説する.

● 対象聴講者
・FFTを使えば何ができるかを知りたい方
・FFTの結果をどのように理解すればよいかを知りたい方
・FFTによるスペクトル解析の正しい方法を知りたい方
・FFTによるフィルタ処理の正しい方法を知りたい方
・リアルタイムで動作するディジタルフィルタをFFTで実現したい方
・2次元FFTを使ってみたい方
● 講演の目的
・FFTを使えば何ができるかを理解する
・FFTを使った正しいスペクトル解析の方法を理解する
・FFTを使った正しいフィルタ処理の方法を理解する
●内容
1.これだけわかっていればFFTの応用は簡単
・フーリエ変換,フーリエ級数展開,離散的フーリエ変換(DFT)とFFT
・FFTの結果と周波数成分の関係
・応用する上で使うFFTの性質
2.FFTのプログラミング
・アルゴリズムを忠実に実現するプログラム
・FFTプログラムをより高速化するためのポイント
3.FFTによるスペクトル解析
・FFTをスペクトル解析に使う際の問題点(エイリアスと窓掛け)
・実用的なエイリアス防止法
・窓掛けの効果
・マイコンによるリアルタイムFFTスペクトル解析器の事例の紹介
・フィルタの周波数特性をマイコンでリアルタイムに観測する事例の紹介
4.FFTによるフィルタ処理
・FFTを使うフィルタ処理の正しくない方法
・FFTを使うフィルタ処理の正しい方法-長さが決まっている信号の場合
・FFTを使うフィルタ処理の正しい方法-長さが決まっていない信号の場合
・FFTを使うフィルタ処理をマイコンでリアルタイムに行う事例(注)の紹介
(注)条件によっては差分方程式に基づいて計算する方法よりも高速実行が可能となる
5.2次元FFT
・1次元FFTを利用する2次元FFTアルゴリズム
・2次元FFTで得られた結果と空間周波数の関係


