本セミナの目的はソフトウェア無線技術を体験することです.具体的には,ソフトウェアとしてGNU RadioとLinux,ハードウェアとして22MHz~948.6MHzの電波を受信することができるRTL-SDRを使用します.参加の対象はソフトウェア無線の初心者です.
GNU RadioとLinuxはオープンソースであり,実習で使用したRTL-SDRは持ち帰りできます.つまり,本セミナで体験したことは家に帰ってから復習・拡張できるように工夫しています.
ソフトウェア無線とは,元来はASICやFPGAでしか処理できなかった電波の処理を,パーソナル・コンピュータのCPUで処理する技術です.例えば,オープンソースのソフトウェア無線プラットフォームであるGNU Radioを用いることで,電波をPythonで処理してラジオを作ったりテレビを作ったりすることができます.GNU RadioはGUIでのプログラミング環境を提供しているため,マウスの操作だけでも無線機を構築することができます.
電波はソフトウェアから扱うことのできる柔らかい万能素材です.携帯電話技術,無線LAN,RFID,キーレス・エントリー,NFC,Bluetooth,テレビなど,身の回りのありとあらゆる技術が電波を使って通信するようになりました.
さらに,電波は通信だけでなく,エネルギーの伝送や,レーダのように物理空間の状態を取得するのにも使うことができます.本セミナを通じて電波を少しでも身近に感じていただきたいです.
1. ソフトウェア無線の基礎
1.1 ソフトウェア無線とは何か?
1.2 Windowsでソフトウェア無線を体験
2. GNU Radioを体験
2.1 GNU Radioとは何か?
2.2 GNU Radio Companionとは何か?
2.3 Linux + GNU Radio Companionによるスペアナの実装を体験
3. GNU Radioで学ぶ信号処理
3.1 Pythonとは何か?
3.2 Linux + GNU Radio CompanionによるFMラジオの実装を体験
3.3 Linux + GNU Radio + Pythonを用いたFMラジオの実装を体験
3.4 Linux + GNU Radio + Pythonを用いたワンセグ受信機の実装を体験
3.5 Linux + GNU Radio + Pythonを用いたキーレスエントリーのパケット解析
GNU Radio Companionの実行画面例●対象聴講者
・ソフトウェア無線に興味がある人.
ソフトウェア無線技術がどのような技術か体験できます.
・電波を使った電子工作に興味がある人.
電波をソフトウェアで扱う感覚がつかめると電子工作の幅が広がります.
・無線通信技術に興味がある人.
電波を肌で触るような感覚を体感して欲しいです.
・FMラジオ,テレビ,スペクトラム・アナライザを自作してみたい人.
身の回りのものを自作できるのは単純に楽しいです.
・プログラミングが得意だが電波がよく分からない人.
ハードウェアでしか扱えなかった対象をソフトウェアで扱うことの面白さを体験して欲しいです.
●講演の目標
・ソフトウェア無線とは何かが分かる.
・電波が身近な対象になる.
・FMラジオを自作できる.
・テレビを自作できる.
・スペクトラム・アナライザを自作できる.