実習・組み込みソフトウェア開発の「いろは」~超入門~

実習・組み込みソフトウェア開発の「いろは」~超入門~
―― ブラックボックス化が進む組み込みソフトウェア開発の中身を学んで応用力を身に付けよう


【コース】1日コース,7時間(昼休み1時間を含む) 【内容のカスタマイズ】不可
【セミナNo.】ESYK02  【出張範囲】関東近郊

 現在の組み込みソフトウェア開発では,洗練された統合開発環境を利用し,ボタン一つでビルドからデバッガへのダウンロードまで行えるようになっている.熟練したプログラマにとっては大変便利なツールだが,これから組み込みソフトウェア開発を学ぶ者にとっては,ビルドで何が行われているのかについてはブラックボックスである.それはマイコンへのプログラムの書き込み方法,エミュレータ等のデバッガが持つ機能の使い方も同じであり,各開発ツールの持つ機能はやはりブラックボックスである.
 本講義では,これから組み込みシステムのソフトウェア開発を学ぶ入門者の方を対象に,マイコンに対する基本知識に加え,上記のような組み込みソフトウェア開発の「いろは」を解説する.
 演習では,ルネサス エレクトロニクス社の16ビット・マイコンRL78/G14が搭載されたC-First(下の写真参照)を利用する.また,演習のプログラミング言語にはC言語を利用するが,C言語の文法を理解しておく必要はない.最低限必要な文法は紹介してから講義や実習を行うため,C言語初心者でも理解できる内容となっている.

●対象聴講者
・これから組み込みシステムのソフトウェア開発を学ぶ方

●講演の目標
・組み込みソフトウェア開発の基礎が理解できる
・ビルドで何が行われているかが理解できる
・デバッガの機能とプログラムのデバッグ方法が理解できる
・スタートアップの必要性が理解できる
・プログラムをROMやRAMに割り付ける方法が理解できる

●内容
1. 最新の統合開発環境を体験しよう(1.0時間)
 1.1 プロジェクトの作成
 1.1 SWによるLED点灯のプログラムの作成
 1.1 ボードとエミュレータによるプログラムの実行

2. 各種翻訳ツールの概要を理解しよう(1.5時間)
 2.1 コンパイラ,アセンブラ,リンケージエディタとは
 2.2 オブジェクト,ライブラリ,ロードモジュールとは
 2.3 ビルド(メイク)とは
 2.4 マイコンへのプログラムの書込み方法

3. デバッガの機能を理解しよう(2.0時間)
 3.1 シングルステップとブレークポイント
 3.2 CPU,SFR,メモリの参照と更新
 3.3 大域変数と局所変数の表示

4. スタートアップを理解しよう(1.5時間)
 4.2 プログラムをROMやRAMに割り付けるには
 4.1 C言語に必要なスタートアップとは
 4.3 C言語の静的変数は初期化が必要?

C言語の学習ボードC-First
実習教材.マイコンボードC-First(参考文献に付属.有料にて貸出可)

●参考文献
鹿取 祐二 共著;基板付きキット 絵解き マイコンCプログラミング教科書,CQ出版社.



【ご用意いただくもの】
CS+ for CCをインストールしたPC.詳細は事前にご連絡いたします.

【講師】
鹿取 祐二 氏〔トロンフォーラム学術・教育WG講師 〕
 ルネサス半導体トレーニングセンターにて,マイコン,C言語,リアルタイムOSのセミナー講師を約25年間担当.ルネサス退社後は,組み込みシステム関係の書籍を執筆する傍ら,トロンフォーラム学術・教育WGのメンバーとして,リアルタイムOSのセミナー講師として活動中.