FPGA,SoC開発における回路アーキテクチャ設計の基礎

FPGA,SoC開発における回路アーキテクチャ設計の基礎
―― 複数モジュールを組み合わせた機能実現と目標性能達成の方法論


【コース】1日コース,7時間(昼休み1時間を含む) 【内容のカスタマイズ】可能.要相談
【セミナNo.】ESSM01    【出張範囲】全国

 FPGAの大規模化や高速化にともない,認識・検索・通信などの複雑なデータ処理を回路化できるようになり,SoCの一種としてFPGA上でハードとCPUを連携動作させることも可能になってきた.
 そのためディジタル回路設計において,一つの回路モジュールをHDL(ハードウェア記述言語)やEDAツールを使って実装する方法だけではなく,複数のモジュールを組み合わせて複雑な機能を実現し,目標性能を達成する方法,すなわちアーキテクチャ設計法の重要性が高まっている.
 本セミナは,アーキテクチャ設計に使う知識を,シンプルな画像処理のサンプル・デザインやいくつかの実例を挙げながら易しく解説する.特定のツールや設計言語を説明するものではなく,それらを使ううえで土台となるアーキテクチャ設計の基礎理解に重心を置き,モデルベース設計やハイレベルシンセシス(C言語等からの回路合成)の利活用も含めつつ説明する.

●対象聴講者
・初級~中級レベル
・VerilogやVHDLなどで,Lチカや簡単なI/Fなど,一つのモジュールを組み,FPGAを動かしてみたことがある方
・マイコンで簡単なI/Oインタフェース処理を動かしてみたことがある方
・教科書にある単純な処理ではなく,FPGAを活かしたより複雑・高性能な処理製作に挑戦したい方
・言語やEDAツールを触ってはみたものの,回路設計の土台となる考え方をもっと知りたい方

●講演の目標
・複雑・高性能な処理をFPGAで組むには,ソースコード(RTL)を書く前に,いろいろな事前検討をすべきことが分かる.
・Intel Platform DesignerなどオンチップCPUとの統合設計ツールが,どのような作業を行うための物か,意味が分かる.
・AMD-Xilinx Vitis HLSやIntel HLSなどハイレベルシンセシスがどのような物か,意味が分かる.
・業務でのディジタル回路設計において,どのような考え方が使われているかが分かる.

●内容
1. 本セミナの背景と目的

2. 例題画像処理の説明

3. アルゴリズムの高位検証と回路化にあたっての問題の把握
 - MATLAB/Simulinkの概要
 - ソフトをそのまま回路化しようとした時にぶつかる障壁
 - 回路化しにくい処理としやすい処理の違い

4. アルゴリズムからの回路性能推定とアーキテクチャの改良
 - 処理時間や回路規模の推定
 - データの流れ方の調整とメモリ量の削減
 - いろいろな処理並列化の方法

5. RTL設計を開始する前の詳細調整
 - 複数モジュールの動作制御方法の決定
 - モジュール間通信プロトコルの決定
 - オンチップCPUと組み合わせての連携動作方法の検討
 - ハイレベルシンセシス(Vitis HLSなどのCベース設計)の利活用

●参考文献
・森岡 澄夫著;LSI/FPGAの回路アーキテクチャ設計法(CQ出版社)


【ご用意いただくもの】
筆記用具

【講師】
森岡 澄夫 氏〔インターステラ・テクノロジズ株式会社 シニアフェロー,博士(工学)〕
 回路設計エンジニア.NTT,IBM,Sony,NECの各研究所において高性能回路IPやハイレベルシンセシスの研究,およびプレイステーションなどの製品用SoC開発に従事した後,現職にて民間宇宙ロケットの飛行制御コンピュータの研究開発に従事.FPGAや高位合成を活用している.