実習・CMOSイメージセンサの性能と信号処理の基本

実習・CMOSイメージセンサの性能と信号処理の基本
―― イメージセンサの性能を本質から理解し,カメラ信号処理の初歩まで身につける


【コース】2日コース,1日当たり約7時間(昼休み1時間を含む)
【内容のカスタマイズ】可能.要相談
【セミナNo.】ESKY22 【出張範囲】全国

 本セミナでは,2日間で,CMOS,CCDイメージセンサの基礎と応用から,実習体験でカメラ信号処理の基本から性能評価と信号処理の初歩までを身につける.
 1日目(座学)は,CCDイメージセンサの基礎から入り,CMOSイメージセンサの詳細までを解説する.イメージセンサの性能や機能を語るとき,CMOSイメージセンサの多くの部分はCCDイメージセンサと共通することを知り,さらにCMOSイメージセンサに特有の原理も理解できるように,図解を多用して分かりやすく解説する.イメージセンサ全般を基礎から応用まで俯瞰的に見ることと,光の取り扱いを含めたイメージセンサの詳細まで理解することで,取り扱い方や応用などに生かせる知識を会得できる.
 2日目(実習)は,CMOSイメージセンサの応答特性,感度やノイズなどの性能を,適切な撮像条件でカメラ・モジュールから生(Raw)データを取得することから始め,信号処理によりその性能あぶり出す.これにより,性能の本質を理解し,正しい処理までを学ぶ.
 また,CMOSイメージセンサから得られるRawデータに基礎的なカメラ信号処理を通して画像を生成する.この操作を通して,カメラ信号処理がどのように信号の形を変えていくのか,画像の変化を見つつ理解する.性能評価とカメラ信号処理の両方を学ぶことで,性能と信号処理の良い組み合わせの大事さも習得できる.
 実習に利用する教材は,Raspberry Piという小型シングル・ボード・コンピュータと,それに標準で接続できる500万画素CMOSイメージセンサが入っているカメラ・モジュールである.カメラの制御にはRaspberry Pi上でPython言語を用い,データはPCに送ってScilabで処理する.

*本セミナのテキスト
本セミナのテキストは,講師 米本和也著「CCD/CMOSイメージセンサの性能と測定評価」(JAN9784789845403)です.CQ出版社が発行している単行本です.

*本セミナのサブテキスト
本セミナのサブテキストとして,講師オリジナルの資料を用意します.

●対象聴講者
・CMOSイメージセンサの応用を検討している技術者
・カメラ技術の入り口に立っている技術者
・CMOSイメージセンサ研究開発の技術者
・イメージセンサを詳しく知りたい人

●講演の目標
・イメージセンサの性能を正しく理解し,測定できるようになる
・カメラ信号処理の初歩とその重要性を理解することができる
・イメージセンサの原理と性能の関係を理解することができる

●内容
(1日目)
1.イメージセンサの動作原理
 1.1 撮像の概念
 1.2 4つの基本動作
 1.3 画素の構造と詳細な動作
 1.4 操作と信号出力
2.機能
 2.1 電子シャッタ
 2.2 静止画撮像の動作シーケンス
 2.3 画素加算
 2.4 光学的黒
3.性能
 3.1 感度
 3.2 ダイナミックレンジ
 3.3 ノイズ
 3.4 解像度
 3.5 蓄積の同時性
4.応用技術
 4.1 カメラレンズと画素
 4.2 カラー化方式
 4.3 信号処理の基本
5.Appendix
 5.1 放射量と測光量
 5.2 相関2重サンプリング
 5.3 空間サンプリングと偽信号

(2日目)
1. 原理を学ぶ
 1.1 イメージセンサの動作原理,性能
 1.2 信号処理の基本とフロー
2. 実習
 2.1 Rawデータのフォーマットとキャプチャー
 2.2 イメージセンサの性能評価
   応答曲線
   変換効率
   感度
   飽和
   ノイズ
 2.3 カメラ信号処理
   ホワイトバランス
   デモザイク
   色補正
   ガンマ補正
   輪郭強調

被写体照度を測るデモのようす
被写体照度を測るデモのようす

カラーチャート撮像の画像処理前後の比較.左が処理前,右が処理後
カラーチャート撮像の画像処理前後の比較.左が処理前,右が処理後


【ご用意いただくもの】
・Windows PC.インストールするソフトウェア等は事前にご連絡いたします.
・Raspberry Pi 3B,3B+,4Bのいずれか

【講師】
米本 和也 氏〔PixArt Japan CTO、博士(工学)〕
 1984~2001年 ソニーでCCDおよびCMOSイメージセンサ研究開発
 2001~2003年 Samsungでイメージセンサ研究開発
 2002年 早稲田大学博士課程後期終了 博士(工学)
 2003~2009年 パナソニック イメージセンサ開発GM
 2009~2012年 プライムセンサージャパン取締役
 2012年~ Quantum and Wave Imaging Laboratory代表
 2012年~ (株)東芝S&S社嘱託
 2016年~ ソニーセミコンダクターソリューションズ(株)に戻る
 2018年~ PixArt Japan株式会社 取締役CTO
 著書「改訂 CCD/CMOSイメージセンサの基礎と応用」(CQ出版社)
 著書「CCD/CMOSイメージセンサの性能と測定評価」(CQ出版社)