実習・マイコンを動かしながら学ぶディジタル・フィルタ【動作プログラム付き】

実習・マイコンを動かしながら学ぶディジタル・フィルタ【動作プログラム付き】
―― Armマイコン(NUCLEO-F446RE)によるディジタル・フィルタの設計と製作

  

【開催日】2022年6月15日(水) 10:00-17:00 1日コース
【セミナNo.】ES22-0029  【受講料】25,000円(税込)
【会場】東京・巣鴨 CQ出版社セミナ・ルーム [地図]
セミナ会場

 マイコンが高性能化したおかげで,従来ではかなり高価なプロセッサを使わなければ実現できないような処理でも,現在ではマイコンで手軽に実現できるようになった.そのような処理の一つがディジタル・フィルタを始めとするディジタル信号処理で,従来は高価なDSPを使わなければ,リアルタイムで動作するディジタル・フィルタを作ることはできなかった.しかし,現在では,低価格のマイコンでも,ディジタル・フィルタを手軽に実現できるようになった.
 本セミナでは,受講者が実際にArmマイコンを使い,リアルタイムで働くディジタル・フィルタのプログラムを動かして,以下のようなことを通して動作を確認する.
 ● ディジタル・フィルタの入出力信号の波形を観測する
 ● 周波数特性をリアルタイムで観測する
 ● 音として聴く
また,ディジタル・フィルタを実現する上での勘所なども解説する.
 ディジタル・フィルタのプログラムの開発にはクラウド・ベースでフリーのMbed(注1)を使う.そのため,マイコン・ボードとインターネットに接続されているPCさえあれば,それ以外のものは必要とせずに,復習や新たにいろいろなディジタル・フィルタを作って試してみることも簡単にできる.
 このセミナでは,ディジタル信号処理の基礎をある程度身に付けていることを前提とするので,ディジタル信号処理がはじめての方は,このセミナの前日に同講師により開催されるセミナ「基礎から理解するディジタル・フィルタ入門」を受講することを勧める.

(注1) Mbedとは,インストール不要で,ネットにつなげれば簡単にプログラムを開発できる統合開発環境のこと.

※ このセミナでは,事前にブレッド・ボード上に組み立てた教材を使います.そのため,電子回路組立の経験がない方でも参加できます.
※マイコン・ボード NUCLEO-F446REにつきましては,弊社で予め準備した貸出用ボードを使用いたします.
※ ブレッド・ボード回路,講師作成のプログラム,およびディジタル・フィルタ設計アプリはお持ち帰り可能です.

1.実習で使うマイコンとプログラム開発環境
 1.1 実習で使うマイコン
 1.2 プログラム開発環境
 1.3 ディジタル・フィルタのプログラム作成の準備
 1.4 ディジタル・フィルタ応用プログラムを動かしてみる
2.簡単なディジタル・フィルタに関する実習
 2.1 アナログ信号の入出力
 2.2 差分,移動平均
 2.3 簡単なIIRフィルタ
 2.4 共振器,ノッチ・フィルタ
 2.5 オールパス・フィルタ
3.FIRフィルタに関する実習
 3.1 FIRフィルタの構成法
 3.2 FIRフィルタの設計
 3.3 FIRフィルタのプログラム
 3.4 FIRフィルタを動かして動作を確認する
  3.4.1 入出力の波形観測
  3.4.2 周波数特性の観測
4.IIRフィルタに関する実習
 4.1 IIRフィルタの構成法
 4.2 IIRフィルタの設計
 4.3 演算誤差,係数誤差の対策
 4.4 IIRフィルタのプログラム
 4.5 IIRフィルタを動かして動作を確認する
  4.5.1 入出力の波形観測
  4.5.2 周波数特性の観測
  4.5.3 位相特性(直線位相と非直線位相)の違いを観測
5.ディジタル・フィルタの応用その他に関する実習
 5.1 グラフィック・イコライザ
 5.2 遮断周波数可変フィルタ
 5.3 周波数変換器
  5.3.1 Weaver変調器を使う方法
  5.3.2 位相シフタを使う方法
 5.4 エコー生成器
 5.5 適応フィルタ
 5.6 スペクトログラム

写真1 実習で使うマイコン・ボードと外付け回路
写真1 実習で使うマイコン・ボードと外付け回路

図1 ディジタル・フィルタ(遮断周波数1kHzのローパス・フィルタ)に1.02kHzの正弦波を入力し,入出力の波形を観測しているようす
図1 ディジタル・フィルタ(遮断周波数1kHzのローパス・フィルタ)に1.02kHzの正弦波を入力し,入出力の波形を観測しているようす

図2 入出力の波形(図1)を観測する際に使っているディジタル・フィルタの周波数特性をリアルタイムで観測しているようす.※周波数特性観測は,トランジスタ技術誌 2022年4月号および5月号の連載「STM32マイコンではじめるPC計測」に掲載のFFTアナライザを使う
図2 入出力の波形(図1)を観測する際に使っているディジタル・フィルタの周波数特性をリアルタイムで観測しているようす.※周波数特性観測は,トランジスタ技術誌 2022年4月号および5月号の連載「STM32マイコンではじめるPC計測」に掲載のFFTアナライザを使う

図3 ディジタル・フィルタで作ったグラフィック・イコライザを操作するためのパソコンの画面
図3 ディジタル・フィルタで作ったグラフィック・イコライザを操作するためのパソコンの画面

●対象聴講者
・ディジタル・フィルタを作りたいが,難しいのではないかと思いしり込みしている方
・リアルタイムで動作するディジタル・フィルタを動かしてみたい方
・ディジタル・フィルタを設計/製作したい方

●講演の目標
・ディジタル・フィルタでどのような機能を実現できるのか理解できる
・ディジタル・フィルタのプログラムを作れるようになる
・目的に合わせたディジタル・フィルタの構成を選ぶことができる


【受講者が持参するもの】
・作成したプログラムなどを持ち帰るためのUSBメモリなど.ステレオ・ヘッドフォン(事務局でも用意する)
・開発用のノートパソコンは事務局でもご用意しますが,持参される方は,ウェブブラウザとしてGoogle Chromeを事前にインストールしてください.

【講師】
三上 直樹 氏〔職業能力開発総合大学校 名誉教授 〕
 1977~1987年北大助手.1987~2017年職業能力開発総合大学校講師,助教授,教授.工学博士.「はじめて学ぶディジタルフィルタと高速フーリエ変換」などの書籍やインターフェース誌,トランジスタ技術誌の記事多数.ディジタル信号処理を専門とする.


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コース

 1日コース

カテゴリ

 回路・電子部品
 基板・ノイズ

シリーズ

 

特徴

 KIT付き
 実習

キーワード

 アナログ
 オーディオ
 ソフトウェア
 ディジタル信号処理
 ボード
 マイコン
 開発環境
 技術教育
 研究開発

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