小学校で学ぶ算数には登場せず，中学校から学び始める「数学」において初めて登場する概念の一つに関数が挙げられる．中学校まではせいぜい1次関数と2次関数までを扱うが，高校からは三角関数，指数関数，対数関数など様々な関数が登場し始める．異なる名を冠する関数には，個々に異なる特性があり，その特性に合わせた利用方法があるが，どれも関数であり，その本質は全ての関数を通して共通な部分が存在するはずである．
　では，関数の本質とは何か？つまり，関数とは何なのだろうか？

　本講座では，知ってはいるが理解はしていない，理解していなければ数学を始めることができない数学の基礎事項について受講者の方々とともに考え，理解を深めることを目指します．特に，関数の本質を探ることにより，実は，関数とはもっと広い基本概念の表層の一部に過ぎないことを確認し，関数と言う狭い考え方からの脱却を目指します．